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協会活動助成授賞報告

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2019.02.28

平成18(2006)年 協会活動助成授賞報告

(社)日本小児保健協会
協会活動担当 理事 大西 文子

 

平成15(2003)年度より小児保健協会活動の一環として設けられた研究助成、実践活動助成、発達臨床研究賞が各選考委員会の審議を経て決定しましたので報告致します。

 

【研究助成】

平成18(2006)年8月10日に選考委員会(委員長 中村 肇氏)が開催され、第52回日本小児保健学会(平成17年)の一般演題の中から、座長推薦を受けた17題について慎重に審議した結果、田中沙季子氏代表、河野由美氏の2演題に決定しました。

 

【実践活動助成】

平成18(2006)年8月4日に選考委員会(委員長 加藤達夫氏)が開催され、各支部団体より応募のあった5団体の活動内容について審議した結果、大分県小児保健協会(木下博子氏)、岩手県小児保健協会(小西峯生氏)に決定しました。

 

【発達臨床研究賞】

平成18(2006)年8月4日に選考委員会(委員長 加藤達夫氏)が開催され、平成17年度の本協会機関誌『小児保健研究』に掲載された論文の中から、委員が事前に推薦した5編を対象に審議し、根ヶ山光一氏の論文に決定しました。

 

*なお、これらについては、理事会で承認され、第53回日本小児保健学会総会(山梨県中巨摩郡:平成18年10月27日(金))にて授賞式を行いました。

 

第3回 研究助成(2篇)

○演題名(第52回日本小児保健学会 一般演題/平成17年)

「保育園看護職者の役割に関する実態調査(第1報)-保育園看護職者の役割遂行と看護者職者に対する保育士・保護者の認識-」
「保育園看護職者の役割に関する実態調査(第2報)-保育園における保健活動の実態」
「保育園看護職者の役割に関する実態調査(第3報)-看護職者に期待される役割-」

 受賞者

 木村 留美子 氏(金沢大学大学院医学研究科)研究室

 

授賞理由:
この論文は、保育園への入園希望者が増す中、9名以上在園する保育園では看護者職者の配置が義務付けられ、看護者による関わりがいっそう求められている社会情勢において、3題ともに保育園看護職者の役割を明らかにすることを目的としている。第1報では看護職者が保育を担当していると本来の業務を遂行することが困難であること、第2報では乳児のみでなく幼児にも保健活動が行われていること、第3報では保育園関係職者や保護者からの保育園看護職に期待される役割を明らかにしている。これらの論文は、園児の健康管理において重要な役割を担う看護職者の配置のあり方を示唆する有益な研究である。また、小児保健の充実に寄与しうる研究内容であり、かつ、保育園における保育士、看護師との異職種間の連携の必要性を十分配慮した内容である。

○演題名(第52回日本小児保健学会 一般演題/平成17年)

「極低出生体重児の頭囲発育と認知能力との関連」

 

 受賞者

 河野由美、三科 潤 氏、原 仁 氏、篁 倫子 氏(東京女子医科大学母子総合医療センター)

 

授賞理由:
この論文は、極低出生体重児の頭囲発育と長期的な認知能力との関連を検討することを目的としている。早産児、極低出生体重児は認知能力の問題リスクが高い傾向にあることは知られており、容易に計測できる退院時の極低出生体重児の頭囲に着目し、その頭囲の発育と認知能力との関連性について長期的に経過観察している。その結果、退院時の頭囲は、出生時の頭囲よりも、6歳時の頭囲発育、認知能力に関連していることを明らかにした。退院時の頭囲測定が、極低出生体重児の発育の経過観察に役立つ指標となり得ることを示唆し、小児保健の水準向上に寄与しうる研究内容である。

(文責:中村 肇)

第4回 実践活動助成(2活動)

活動名・代表者

「大分子ども病院における誤飲事故の発生調査と予防に関する検討と広報活動」

大分県小児保健協会 木下 博子 氏(大分こども病院育児支援グループ)

 

「重症児在宅医療の開拓と向上」

岩手県小児保健協会 小西 峯生 氏(もりおかこども病院小児科)

 

推薦理由:
大分県の大分こども病院育児支援グループの活動は、大分こども病院を中心に、子どもの誤飲事故の発生調査を基に事故予防に関する検討会を重ね、事故予防に必要な広報活動を長期的に実施されてきたことが高く評価された。岩手県のもりおかこども病院小児科の活動は、もりおか子ども病院の範囲内の在宅医療について、医師・看護師・地域の保健師等による医療プロジェクトチームを結成し運営され、訪問による在宅医療を実施してきた功績が高く評価された。

(文責:加藤達夫)

第4回 発達臨床研究賞(1篇)

受賞

論文名:「母子におけるくすぐり遊びとくすぐったさの発達」

論文執筆者:根ヶ山 光一 氏

掲載巻号:『小児保健研究』第643p.451-460 2005.

 

授賞理由:

 本論文は現代の育児場面で不足しがちな笑いを発達的に捉え、育児不安・虐待の解決の糸口となる育児の楽しさを見出せる研究への示唆を与えている。研究方法として、その発達過程を日英において比較したものであり、主題の選定およびその現代的意義、研究成果の小児保健への貢献、独創性、実証的研究であること等の観点から、発達臨床研究賞受賞にふさわしい論文であると高く評価された。 

(文責:加藤達夫)

平成18年度 小児保健協会活動助成選考委員会

協会活動担当幹事:飛田 正俊、近藤 洋子、太田百合子、 堀田 法子

 

○ 研究助成選考委員会
委員長:中村 肇
副委員長:大西 文子
委員長代行:城 宏輔
委 員:山崎 嘉久、浜中 喜代、奈良間美保、鎌田 尚子、谷村 雅子

 

○ 実践活動選考委員会
委員長:加藤 達夫
副委員長:大西 文子
委員長代行:長嶋 正實
委 員:倉橋 俊至、梶山 祥子、三木とみ子

 

○ 発達臨床研究賞
委員長:加藤 達夫
副委員長:大西 文子
委員長代行:吉田 弘道
委 員:衞藤 隆、横井 茂夫、中村 敬、向井 美穗、塚原 洋子