平成20(2008)年 協会活動助成授賞報告
(社)日本小児保健協会
協会活動担当理事 大西 文子
平成15(2003)年度より小児保健協会活動の一環として設けられた研究助成、実践活動助成について、各選考委員会の審議を経て決定しましたので報告致します。
【研究助成】
平成20(2008)年7月11日に選考委員会(委員長 田中義人氏)が開催され、第54回日本小児保健学会(平成19年)の一般演題の中から、座長推薦を受けた15題について慎重に審議した結果、代表 重松 美智子 氏に決定しました。
【実践活動助成】
平成20(2008)年7月4日に選考委員会(委員長 加藤達夫氏)が開催され、各支部団体より応募のあった8団体の活動内容について審議した結果、山形県鶴岡市役所母子保健係 水野 宏子 氏に決定しました。
【発達臨床研究賞】
設立された当初の目的「研究の発展向上」に至ったため、廃止となりました。
*なお、これらについては、理事会で承認され、第55回日本小児保健学会総会(北海道札幌市:平成20年9月26日(金))にて授賞式を行いました。
第5回 研究助成(1篇)
演題名(第54回日本小児保健学会 一般演題)
「医療機器等装着をしている(児)の支援体制づくりについて(第1報)~体制づくりの検討経過と課題~」
「医療機器等装着をしている(児)の支援体制づくりについて(第2報)~介護者の声をいかした支援体制づくり~」
受賞者
神奈川県厚木保健福祉事務所
重松 美智子 氏、田坂 雅子 氏、工藤 美香 氏、石田 啓子 氏
授賞理由:慢性疾患や障がいをもつ子どもと家族の在宅療養における在宅ケアに対する行政対策への需要が高まる中、医療機器等を装着した状況で在宅になる乳幼児が増えており、小児看護経験者が少ない等の理由より訪問看護ステーションへの受け入れが困難な現状がある。こうした背景において、第1報では、地域における受け入れの現状と課題では医療機器等装着をしている児や訪問看護ステーションおよび福祉制度・介護者の状況調査をした上で、保健・福祉・医療等関係職種の保健師・障がい福祉担当者・訪問看護ステーション管理者・医療機関相談担当者、児童相談所障がい担当者という異職種が協働しその体制づくりに検討を重ねて僅かであるがその改善の報告がされている。第2報では、第1報で改善された支援体制における介護者の声をアンケート調査し、その結果をいかした介護教室が開催され、介護者の安心感を得る支援体制が整備された。しかし、具体的な介護教室の開催は医療者の確保・医療機材の確保・送迎・予算確保等の今後の支援体制づくりの課題を示唆しており、第1報と第2報を併せて、継続的な研究として小児保健の水準向上に寄与しうる研究内容である。
(文責:田中 義人、代理:城 宏輔)
第6回 実践活動助成(1活動)
活動名
「鶴岡市すこやかな子どもを生み育てるネットワーク推進委員会」
受賞者
水野 宏子 氏(山形県小児保健協会、鶴岡市役所健康課母子保健係)
授賞理由:鶴岡市すこやかな子どもを生み育てるネットワーク推進委員会は、子育て不安を持つ親の増加が認められたため、すこやかな子どもを生み育てるために関係者が情報交換しながら連携を密にし、効果的な母子保健活動を推進することを目的として、1994年に設立された。委員は、学職経験者、小児科医、産婦人科医、臨床心理士、小児科看護師、助産師、小・中養護教諭、育児サークル代表者、父親代表、児童相談所、保健所保健師、子育て相談室(保育士)、中央公民館、社会教育課、学校給食センター栄養士等の異職種関係職員からなり、子育てに関する意識の調査・分析・結果を基にした出前子育て懇談会を開催し、食育や生活リズムの大切さ、思春期の心の問題等子育て全般にわたり課題を提起し、意見交換、学習が進められてきた。また、その調査結果や懇談会の様子を子育てに関する情報として「すこやかネット通信(19年度迄に31号発刊)」へ掲載し、市民への配布によって周知徹底を図っている。さらに、公開講演会(1回/年)を開催し、児童虐待防止、思春期の生の問題、教育、母と子の絆等定期的に開催されている。以上、この会の活動は異職種間の協働・連携を十分配慮した内容であり、特に「健やか親子21」の課題に即しており、この長年にわたり実施されてきた功績が高く評価された。
(文責:加藤 達夫)
平成19年度 小児保健協会活動助成選考委員会
協会活動担当幹事:近藤 洋子、堀田 法子、鎌田 博司
○ 研究助成選考委員会
委員長:田中 義人
副委員長:大西 文子
委員長代行:城 宏輔
委 員:山崎 嘉久、濱中 喜代、奈良間 美保、鎌田 尚子、谷村 雅子
○ 実践活動選考委員会
委員長:加藤 達夫
副委員長:大西 文子
委員長代行:長嶋 正實
委 員:倉橋 俊至、梶山 祥子、三木とみ子